会長あいさつ


一般社団法人 愛知県山岳・スポーツクライミング連盟 設立のご挨拶


 代表理事  伊藤智彦

 愛知県山岳連盟は、令和5年9月16日の法人設立総会の決議を得て、10月2日を以って、一般社団法人を設立するとともに、団体名称を「一般社団法人 愛知県山岳・スポーツクライミング連盟」に変更しました。
 東海地区においては静岡県、三重県に続き3番目の法人化となりました。この法人化への変更は日本山岳・スポーツクライミング協会(JMSCA)の強い要請を受けたものであります。JMSCAは、都道府県山岳連盟に対し法人化と団体名称にスポーツクライミングを入れるよう、様々な会議を通じて要請を行ってきました。この動きはここ15年ほどの間に国内全体に進む、官公庁に属する各種団体や中央競技団体の法人化の流れの一環であります。
 近年のスポーツにおける不祥事の多発の要因は、組織内のガバナンスに問題があるといわれています。ガバナンスの構築は中央競技団体だけではなく都道府県岳連にも求められているとしています。これを受け愛知県山岳連盟は山岳スポーツを統括する団体として、組織運営の透明性を確保し、ガバナンスの強化充実を図ることに責任をもつべきと考えました。特にスポーツクライミングが国体の山岳競技の種目であり、さらに五輪の正式種目となったことから、県内の統括団体として責任が問われていると思います。愛知県は2026年にアジア大会の開催を予定しています。そのためにも愛知県山岳連盟の法人化は必要であります。
 近年の山岳を取り巻く状況は刻一刻と変化しています。従来のアルパイン登山だけではなく、トレイルランニング・山岳オリエンテーリングなど山岳を楽しむことは多様化しています。またこれまでのような地域の団体に所属して活動するのではなく、未組織の個人の登山活動が活発になっています。このような状況は事故防止の観点から問題です。登山者へどのように安全登山を求めていくかは山岳組織としての責任と考えます。
 この数年コロナの影響もあって、小中高校生の集団登山や、部活動登山は活動が低迷しています。指導者の不足も顕著になってきています。少年少女の育成については、現在小中学校の部活動は地域にその中心が移行しつつあります。その流れは高校にも及んでくるでしょう。登山の場合、地域への移行は具体的にどうなるのでしょうか。不透明な今後を心配します。どのように若者に登山を知ってもらい登山人口を増やしていくのかは大きな課題となるでしょう。
 今後の岳連の活動を考えますと、このような時代の変化や課題に対応するためにも柔軟な考えを持ち、新たな活動に取り組む必要があると考えます。
 愛知県岳連の活動の軸は、加盟団体の皆さんの日頃の活動にあることは言うまでもありません。加盟団体の活動が安全に、より一層充実していきますよう期待しています。法人化を機にガバナンスの強化、充実を図り、組織の社会的信用力の向上に努め、登山・山岳スポーツ・スポーツクライミングの普及、振興をより一層推進することに主体的に取り組んでいこうではありませんか。法人化はスタートしたばかり、今後多くの課題に直面すると思いますが、頑張っていきましょう。今後も皆さんのご理解ご協力をお願い致します。